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ピロリ菌感染の関係
■治癒前期の胃潰瘍。
■活動期の胃潰瘍。

胃・十二指腸潰瘍とピロリ菌感染の関係を教えてください。また、胃癌との関連はどうでしょうか?

ノーベル賞が与えられたことでも有名になった研究で、胃・十二指腸潰瘍の主な原因としてピロリ菌感染が明らかとなりました。しかしピロリ菌の感染率は日本人では成人の7割以上ですので、ピロリ菌の感染があると必ず潰瘍になるわけではありません。しかしピロリ菌感染を合併する胃・十二指腸潰瘍の患者さんの場合は、このピロリ菌を除去することで再発率が非常に低くなります。この事実により、胃・十二指腸潰瘍に対してピロリ菌を除去する「除菌療法」が保険適応となりました。

胃癌との関連:
しかし、その後の研究でピロリ菌感染のある慢性胃炎の患者は、感染のない患者さんの3倍も胃癌になりやすいということが判明。これに基づき2013年春よりピロリ菌感染のある慢性胃炎にも除菌治療の適応が拡大されましたので、除菌を希望される場合は専門医に相談してください。

除菌療法について:
具体的には「潰瘍治療薬と2種類の抗生剤を1週間服用するだけ」の治療ですので難しいものではありませんし、外来通院で可能な原因療法です。
ただし、1度で除菌が成功する確率は75%ほどで、除菌後の再発もまれにみられます。

また、除菌が成功した場合は内視鏡的にも慢性胃炎の所見が改善し、萎縮性胃炎への移行が止まります。治療終了後、4か月目に尿素呼気検査で除菌が成功したかどうかの確認を受け、成功した場合には1年後に胃内視鏡検査での最終確認が大切だと思います。

また、ヘリコバクターピロリの除菌治療後の患者さんにも1年に数例胃がんが見つかることから、「除菌治療を受けると胃がんができなくなる」というのは言いすぎなのかもしれません。

【補足資料】
日本は1992年の時点で20歳代の感染率は25%程度と低率であるが、40歳以上では7割を超えており発展途上国並に高い(※1)
除菌療法は、(P-CAB or PPI) + AMPC + CAM」の3剤併用療法で、3剤を7日間服用する。この一次除菌方法による除菌の成功率は80%程度とされてきたが、近年クラリスロマイシン耐性菌株が増え(※2)、
除菌率が70%程度まで低下してきているとの報告もある。(※3)

※1(出展元)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1537513
※2(出展元)https://gut.bmj.com/content/53/9/1374.short
※3(出展元)Sasakiらは1997~2008年の間に名古屋市立大学病院で消化性潰瘍により一次除菌治療を受けた750例を対象に、除菌治療の成功率および抗生物質のクラリスロマイシンに対する耐性率を検討しています(図4)。その結果、2000年までは90%以上であった除菌率が、2007年以降は75%以下に低下し、一方でクラリスロマイシン耐性の H.pyloriが8.7%から34.4%にまで増加していることが判明。